【新横浜駅より徒歩約5分】今日はお客さんとして!明日はお店の人として!「ARUNŌ -Yokohama Shinohara-」

そもそも、ここ「ARUNŌ -Yokohama Shinohara-(アルノー ヨコハマシノハラ」(以下、ARUNŌと呼びます)を知ったのは、夫から「郵便局みたいな建物のカフェがあって、そこにあった自販機で冷凍弁当を買ってきた」と。

ナニ?郵便局?自販機?冷凍弁当?よくわからないわー。
けど、なんか面白そう?と思ってしまったワタシ。
なので、早速行ってまいりました!
ナ、ナント、ここは旧・横浜篠原郵便局(以下、旧・郵便局)の跡地でした!
そして、そして、ここはただのカフェではありませんでした!
というわけで、オーナーの若林さんにお話を聞いてきました。

夫が申していました「郵便局」「自販機」「冷凍弁当」がこれです!

新横浜駅の篠原改札口から出て、静かな住宅街を歩くこと約5分。 外観はまさに郵便局のよう。

外からは、確かに郵便局の外観!入り口の脇には自販機が2台あり、お弁当もある、ピザやギョーザもある、焼き鳥もある?これ、全て冷凍?
POPボードには「おいしい横浜野菜あります」や「木曜日はお弁当の日!」???

店内に入ると、すぐ鮮やかなイエローのデスクと椅子が2組(増やせば4組まで)、カウンターの奥には、キラキラと自然光が入って清潔そうな厨房あり。
さらに、細長い壁面には、手作り風な雑貨がズラリ!
とっても摩訶不思議な空間が現れました!

ここは、あなたの「やりたいこと」の背中を押してくれる空間!拠点?

突然ですが、あなたは「新しく飲食店をやってみたい」だとか「趣味でやっているアクセサリーやスイーツを販売してみたい」、またまた、何かの専門的な資格があり、これを活かしてミニ体験会などをやってみたいなど、思ったことはありませんか?

終身雇用というのがとっくに崩壊し、コロナ禍を経たいま、一層「副業」に関心が集まり、注目されるようになったからこそ、一度は興味を持ったことはないですか?

ただ、実行に移すにはハードルが幾つも頭をよぎり、少々トーンダウン気味?

で、ここで登場願うのがARUNŌのオーナーの若林さん。

オーナーの若林さんは、一級建築士事務所「株式会社ウミネコアーキ」の経営者でもあります。

「こんなふうに“足踏み状態の人”を応援して、交流したり、繋がったりして「集まれる場所」としての拠点を作りました。1日でも、期間限定でも、この空間、スペースを気軽に利用して、やりたいことに挑戦してもらえたら」と。

5つの実践的な『未知への窓口』

もう少し、詳しく説明をしてもらいました。
ARUNŌのコンセプトは『未知への窓口』、具体的には以下5つのコンテンツが用意されています。

【シェアキッチン】

新しく飲食店に挑戦したい、自分で作ったスイーツを販売してみたい。店舗を持たなくても、毎日ではなくても。1日でも、定期的にでも。また、不定期的にでも。こんな方の利用が可能です。

現在は、カジュアルフレンチが人気の「Bistroアンシャンテ」さんは不定期の土曜日に営業。

日本のお酒&おつまみとおにぎりが評判の「Yuki′s BARu」(ゆきズバル)さんは、大体、週一ペースながらも不定期営業。

【マドグチ】

この窓スペース(壁面)は、あなたの“好き”を表現するところ。趣味で作ったアクセサリーだったり、仕事関連の雑貨やおしゃれ小物、リアルな体験を大切にしている参加型イベントなど、あなたの思い入れを展示して販売することができます。このスペースを借りていれば、「チャレンジショップ」を出店することもできるのだとか。

購入方法も面白い!買いたいものが見つかったら、ナンバリングしてある番号をカードに記入し、金額と一緒に赤い封筒に入れ、備え付けのポストに投函。まさしく郵便局?

【フローズンカフェバー】

フローズンだから、冷凍?ここで夫が冷凍弁当を購入したようです。
このフローズンカフェバーは、常時営業。
市内の近隣エリアの飲食店から仕入れた冷凍食品がメインメニューです。
屋外の自動販売機でいつでも購入でき、もちろん、店内で温めれば、アッツアツ・ほっかほかの出来立てが召し上がれます。
そして、急速冷凍機を導入して、地域のフードロスを削減しようと、冷凍食品の開発にも取り組んでいるそうです。

【屋外出店スペース】

外にある駐車場を利用して、キッチンカーやマーケット、ポップアップショップなどが出店できます。飲食店だけではなく、雑貨や花屋、八百屋などジャンルは問わないということです。生活クラブの出店(商品案内)も。

【シェアハウス】
その他、住める場所もあるみたいです。ここへ住めば、運営への参加やイベントの開催、地域の人との交流など。この場所を活かした暮らしが拡がる可能性があるとも。

きっかけは、祖父の新横浜食料品センターの意義

上の部分が現況の「新横浜食料品センター」。下は現在、更新計画中のパース。

このARUNŌは、まさしく、「いままで見たことのない自分に会える場所」と言えるかもしれませんね。
で、どうして、こういうカタチの店舗というか、拠点を作ろうと思われたのか?聞いてみました。

もともと、若林さんは、ずっとこのあたりの地元の人。
それまで農業をやっていた若林さんのおじいさんが、約60年前、
新横浜駅に東海道新幹線が開通した1964年頃から不動産業を始められたそうです。
そしてほぼ同時期に、この地元に暮らす新旧の人たちに生活物資が購入できる
「新横浜食料品センター」を建てられたのだとか。

若林さんは、祖父の「自分が所有する土地だけで完結するのではなく、もっと広い視点を持って向き合う意義。このことを学んだと思います」とのこと。

若林さんがこのARUNŌのプロジェクトを進めるにあたり、自己完結をせず、周辺に点を増やしながら、地域として面的に改善していく「エリアリノベーション」を強く思ったのだそうです。

なぜ、旧・郵便局の跡地になったのか?

空き家となった郵便局。この建物の特徴ある建築デザイン「鉄骨のむき出し」構造を活かした店舗にリノベーション。

夫が「郵便局っぽい建物のカフェ」と言っていたので、聞かずにはいられませんよね。「なんで、旧・郵便局のリノベーションだったんですか?」って。

ひと言でいうと、若林さんが、これまでの郵便局の歴史や役割、魅力的な郵便局の建築デザインなどに触れ、これは祖父から学んだ「エリアリノベーション」だと直感的に思い、ワクワク感が止まらなかったのだとか。

そもそも、この「横浜篠原郵便局」が誕生したのは1975年。
それから約45年、老朽化などの理由で移転し、空き家になっていたこと。
郵便局ゆえ、篠原町の緑豊かな住宅街のまん中にあり、人々の生活に必要な交流の場であったこと。
加えて、当時の郵便局の建築デザインは日本通信建築事務所(現在のニッテイ建築事務所)が手がけていて、外観や内装の建築デザインに惹かれたこと。

「この跡地を失くすのはもったいない。どうにか残す方法はないものか」と。
いろいろと大変な壁もあったと想像しますが、遂に2022年8月に、再び「人々が集まれる場所」が実現したそうです。

この新横浜駅の南側(篠原改札口側)は、ともすると、反対側(北側)の賑やかさにスルーされてしまいそうではありますが、ちょっと足を伸ばして、立ち寄ってみて欲しいなぁと。昨日とは違う何かが開けるかもしれません。

ARUNŌ -Yokohama Shinohara-
住所:神奈川県横浜市港北区篠原町1410
アクセス:横浜線「新横浜駅」から徒歩約5分
営業時間:11:00-19:00
定休日:不定期
お問い合わせ:公式ホームページ https://u-aruno.com、instagramアカウント  u_aruno_

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。