毎朝、自家焙煎。夫婦で営む青葉区桜台の「荒田珈琲」で本物の一杯に出会う

扉を開ければ、すとんと静かな世界に入る「荒田珈琲」。

日常から切り離されたような店内には、小さくボサノヴァが流れています。ゆったりと本にひたる人、声をひそめておしゃべりを楽しんでいる人、それぞれが思い思いに時を過ごしています。どのテーブルにも珈琲が。

ボーンボーンと風格ある振り子時計が鳴り響くと、いっそうノスタルジックな雰囲気に包まれます。

夫婦で営む珈琲店

「荒田珈琲」は店主の荒田大介さんと妻の美弥さんが営む珈琲店です。荒田さんが珈琲とケーキを、美弥さんがフードと裏方を担当されています。

場所は桜台ビレジの1階で、バス停「桜台ビレッジ前駅」が目の前。

黒の外観が真っ白な桜台ビレジによく映えています。

お店に入って、まず目に飛び込んで来るのは樽。珈琲豆が入っているのでしょう。毎朝、荒田さんが豆を焙煎しています。

季節柄、窓辺には雛人形が鎮座していました。

そしてよくよく見ると、かわいらしい物がいっぱい。本、絵、木のおもちゃ、観葉植物、ドライフラワー、地球儀、自転車まで。見れば見るほど、奥深い荒田珈琲ワールドが広がっています。

赤い鳩の砂糖の入れ物が、たまらなく愛おしい。籐を使ったような飾りも気になりました。人の手のぬくもりが伝わってきますね。

圧倒的人気「荒田珈琲ブレンド」の中煎り

看板メニューは「荒田珈琲ブレンド」。浅煎り、中煎り、深煎りと選べます。「産地ごとのストレート」として豆の種類も豊富です。

私が注文したのは「荒田珈琲ブレンド」の中煎り。2023年の飲み物ランキングでぶっちぎりの1位です。頼まずにはいられませんよね。

それからベーグルサンドの「サーモンクリームチーズ」も。

まずは、珈琲からいただきます。20年ものあいだ都内で腕を磨いた荒田さんが、ていねいにネルドリップして淹れた珈琲です。

口当たりはなめらかなのに、しっかりとしたコク。舌で苦味を感じ、喉に続いていくようです。珈琲の風味が口の中に長くとどまります。

家で飲む珈琲とは違う、プロが淹れる本物の一杯です。

具材みっちりベーグル

ベーグルサンドの「サーモンクリームチーズ」もいただきましょう。

栄養士であり、フードコーディネーターでもある美弥さん。ニューヨーク滞在中にたくさん召し上がったというベーグルにはこだわりが感じられます。

キャンディ状の紙で丁寧に包まれているベーグルには、サーモン、レタス、クリームチーズがみっちり詰まっています。

しばりを片方だけ外し、口をいっぱいに広げてほうばります。

ベーグルもっちり。

最初にクミンの香りが広がります。サーモンとクリームチーズの相性は最高。レタスはシャキシャキ。味を引き締めるピクルスは名脇役。アゴをしっかり使って、食べ応え抜群です。

キャンディ包みのおかげで、とっても食べやすい。お皿には具材が一つもこぼれていません。口まわりもきれいなまま。

珈琲を一口。しみじみ、おいしいなぁ。不思議と最初より、まろやかに感じます。

イチゴ、ブドウ、パイナップルとフルーツが添えられているのもうれしいですね。食後にさっぱり。

一人でふらりと

私が訪れた平日のお昼どきには、女性の一人客が多く見られました。休日の夕刻にはたくさんの男性の一人客も。席につく前にメニューも見ずに注文される方もいて、きっと常連さんなのでしょうね。

街に一人で入りやすいお店があるのは、ありがたいことです。

「荒田珈琲新聞」でファンになる

「荒田珈琲」のことをブログに書こうと思い、事前にウェブサイトを見ていたところ「荒田珈琲新聞」なるもののバックナンバーを発見しました。

どれどれと目を通してみると、これがめっぽう面白い。文章とイラストは、なんとぜんぶ美弥さんの手描きと知って驚きです。内容はユーモアたっぷり。料理の絵なんてイラストレーターさながらです。

こちらがお店にあった「荒田珈琲新聞Vol.76」。

「荒田珈琲新聞」には荒田さんが「店主」、美弥さんが「ヨメ」として登場します。

隔週で発行されているようです。お店にも置いてありますので、ぜひ足を運んで珈琲のおともに読んでみてくださいね。クスっとしたり、へぇとなったり、ほのぼのしたりしますよ。

珈琲やベーグル、ケーキはもちろんのこと、きっと荒田ご夫妻のファンになること間違いなしです。

荒田珈琲
住所:神奈川県横浜市青葉区桜台25-1
アクセス:東急田園都市線「青葉台駅」より徒歩約13分、「桜台ビレッジ前」バス停下車すぐ
TEL: 045-532-9157
営業時間:9:00-18:00(土日祝は19:00まで)
定休日:月曜日・火曜日は月2回(祝日の場合は営業、翌日が振替休日)

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。