【大倉山】若返りたいスープ!?週一で通いたい「いざかや青鯛ごはん-Yakuzen Soup & Obanzai」

今回ご紹介するお店の前を通るたびに、いつも気になって仕方がないことがありました。それは、正面入り口側にある看板に書かれた「若返りたいスープ」。これが気になって、気になって(笑)

「若返りたいスープ」って何?「薬膳ランチ」って?というわけで、思い切ってお店の中へ入り、オーナーに聞いてみました。

大倉山駅から歩いて約2分、「薬膳ランチ」のフラッグが目印

ここのお店の壁面(左サイド側)には、まず「小町料理」というのがテッペンにあって、すぐ下に『いざかや青鯛ごはん』というのがあり、さらに、その下には『Yakuzen Soup & Obanzai』があって。えっ、どういうこと?この疑問は、オーナーのお話を聞いて解決しました。

そもそも、お店のOPENは2014年。当初は青魚専門店を掲げて「仲のよいみなさんが集まれるお店」の居酒屋としてスタート。ところが、コロナ禍でやむなく閉店に。昨年(2022年)、再び開店しようとした際、ランチメニューに絞ることとし、その際にオーナー自身がこだわりを持つ『薬膳料理』を提供する現在の『Yakuzen Soup & Obanzai』(やくぜんスープ&おばんざい)になったのだとか。このような経緯が壁面に残っているということだったのですね。

薬膳ランチって、おいしいの?

ところで、薬膳ランチって聞くと「なんか、薬臭くておいしくないイメージ?」「高い食材を使っているから高価なんじゃない?」と、こんな風に思っていませんか?

オーナー曰く、「そのイメージは『漢方』ですね。『薬膳』と『漢方』は違うんですよ。漢方は、病状に対しての『薬』です。一方、薬膳は『身体に合ったおいしい食事』。本当に身近な食材、主に旬の食材を使った料理で、食材の持つチカラ(効能)で身体をととのえ、病気から守ってくれる食事なんですよ。」

大、大、大本命!「若返りたいスープ」をオーダーしてみました

オーダーしたのは、もちろん「若返りたいスープ」!これに加えて、オーナー1番のおすすめ「本日の御膳」も頼みました。

「本日の御膳」は、9種類のおばんざいとおむすび2種類、これに「季節のスープ」(きのこスープ)付き。えっ、スープが2つになってしまうんですけど?

「本日の御膳」のおむすびは具材が10種類ある中から選べます。季節のスープは今が旬のきのこスープ。

まっ、いいか。ということで、まずは「若返りたいスープ」をひと口すすってみると、決してガツンとくる味ではないのですが、じんわり沁みてくる感じ?
滋味深い味とでもいいますか。

「若返りたいスープ」には、サイコロ状の人参、大根、茄子、ブロッコリー、玉ねぎ、茸、トマト、ネギ、大蒜、オリーブオイル、塩が入っており、ベースは『ベジブロス』。これは、いわゆる野菜の皮や種、切れっ端などでつくる出汁のことらしいです。
(このベジブロスの詳細については、調べたことを最後に記しておきましたのでご一読ください。)

『ベジブロス』がオーナーのこだわり中のこだわり

さて、オーナーのこだわりですが、2年前に薬膳料理の資格を取得し、さらに、『ハーバード大学式スープ』(4種の野菜を切って水で煮るだけのスープ)という健康寿命を延ばす(医学的根拠=エビデンスも明らかになっているとか)と言われているスープを学んだそうです。
ここから試行錯誤を繰り返し、研究に研究を重ねてお店独自の抽出工法による『ベジブロス』を考えられたのだとか。

このオリジナル『ベジブロス』は、「若返りたいスープ」はもちろんのこと、9種類のおばんざいの煮炊きにも使っているそうです。
また、カウンターの前に並ぶ瓶詰めは、おばんざいの出汁に入れたり、甘味に使ったり。スープの種類によっては入れるものや混ぜないものもあるそうです。

ちなみに、おばんざいはひとつひとつ味わいが違うように、食材、下処理、出汁、組み合わせる食材などを変えて作られているのだとか。

右側に吊るしているのは、玉ねぎの皮。日干しにすることで玉ねぎの栄養がぎゅっとUP。乾燥させてから出汁に入れるそうです。

こだわりのきっかけは、ショーゲキが走ったおやじさんの出汁だった

なぜ、そこまでこだわるのですか?きっかけは何だったんですか?と聞いてみました。

オーナー自身は、中学・高校とアルバイトを経験。高校時代に友人の誘いで和食店で働いていた際、店主のおやじさんがつくる出汁をひと口飲んだときに「何だ?この深い味は?」と青天の霹靂だったのだとか。それ以降「食」にのめり込み、特に食材のチカラにこだわるようになったそうです。

「身体は食べ物でつくられる」という信念から、例えランチやスープ一杯とは言え、身体にいいものを召し上がってほしいと。こんな思いでめちゃくちゃこだわった『薬膳ランチ』をはじめられたのだとか。

ベジブロス・一番出汁の深〜い意味

実は、ランチを待っている間にオーナーから「一番出汁」をいただきました。
ひと口すすってみると、「あれっ?何の味もしないけど?」

オーナー曰く、何も味を感じないのは舌が汚れている?鈍感になっていますよって。でも、何度か口にするうちに、舌は五味(甘味、酸味、塩味、苦味、旨味)を探ってきます。匂いや香りと同じように、(個人差はありますが)記憶に残るものなのです。どこかで食した味、思い出せないけど懐かしい味だったりね。

この「一番出汁」は、身体のなかに入って細胞が喜び、病を寄せ付けないものと信じています。でも、私は医者じゃないからわかりませんけどね(笑)と。

店内は、カウンター席/4席 テーブル席/8席のアットホームな感じ。

始終、寛容で穏やかな表情で話をされるオーナーに接して、まさに「ひと(身体)は食べたものでつくられる」ということを体現されているのだろうな、と思わされました。

買い物帰りのお子さん連れのママや50代、60代以降の方たちも、ふらりと立ち寄り、スープのみ召し上がって行かれることも多いのだとか。「毎日ではなくても、週一程度でも細胞が喜びますよ」、と。

ぜひ、ここの「若返りたいスープ」や「いのちのスープ」、おばんざいのランチを召し上がってみてください。

14:00〜17:00は和スイーツもあります。

『ベジブロス』って?ファイトケミカルって何?

『ベジブロス』?聞いたことがあるような、ないような?
これって何だろう?と、ちょっと調べてみました。

『ベジブロス』とは、ベジタブル(野菜)+ブロス(だし)を組み合わせたもので、普通は捨ててしまう野菜の皮や種、ヘタ、茎などを水だけでコトコト煮てつくる出汁のこと。野菜の切れ端こそが栄養の宝庫と言われ、これから抽出される出汁には「ファイトケミカル」という成分が溶け出しているとのこと。

そして、この「ファイトケミカル」とは、植物が紫外線や害虫などから身を守るために作り出した色素や香り、アクや辛味などの成分のことをいい、抗酸化作用があり、老化防止や免疫力UP、デトックス作用などが期待できるのだとか。これは飲まなきゃあ、ソン?

というわけで、ちょっと家でも作ってみたくなり、「ベジブロス」?にトライしてみました。キャベツ、かぼちゃ、人参、玉ねぎの4種類の野菜を切って水で煮込むだけ。基本的には調味料は入れません。皮や種などはだし袋に入れて一緒に煮ます。

野菜4種類を入れた「マイ ベジブロス」?当たり前ですが、お店で飲んだ一番出汁とは似て非なるもの。お店に常連さんが多いというのも納得です。

いざかや青鯛ごはんYakuzen Soup & Obanzai

住所:神奈川県横浜市港北区大倉山3丁目2-14
アクセス:東急東横線「大倉山駅」から徒歩約2分
TEL:045-947-3869
営業時間:ランチ 11:30-14:30(お昼からお酒飲めます)
茶・甘味 14:00-17:00
夜の部 完全予約制(日・祝日はお休み)
定休日:無休(疲れたとき)

※記載情報は取材当時のものです。変更している場合もありますので、ご利用前に公式サイト等でご確認ください。